枯れ木と少年
若乱

落ちた紅葉の水辺に座る少年は
絶望するほどの
期待もないようだ

燃えるづけた劣等感も枯れて
未来におびえる焦燥も枯れて
生きている価値がないという言葉も枯れて
時を忘れるほどの楽しみも枯れて


枯れて枯れて
きれいさっぱり枯れはてた

そよ風を掴めないまま

ほんわりとただ
一人な幸福が香るだけ

日が暮れてゆく
水面にそっと浮かぶ落ち葉が
ふっと沈んだ


自由詩 枯れ木と少年 Copyright 若乱 2019-12-01 18:58:04
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