女の雨の音は擬音で
こたきひろし

ザザザザザァ
心に降る雨はそんな風に哭いている

ザラザラに渇いてしまった
私の心だったから
恵みの雨

湿っていく
塗れていく
恥ずかしいくらい

ヒリヒリ痛んでいた
私の体だったから

通りすがりに
通りすぎっていった
雨は
いっとき
女の体に
染み込んで

でも
いつか冷たく

また渇いてしまった

右の乳房
左側のおっぱい
両方の乳首は
カサカサに

だから
渇いた唇は
紅く塗る

ふたたび
降ってくる雨を
呼びよせる為に

女がそれをして
何がいけない


自由詩 女の雨の音は擬音で Copyright こたきひろし 2019-11-30 08:55:58
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