分身
もっぷ
隣の籐の椅子 そこにいるのは
確かに揺らいで 眠っているのは
微かに寝息を たてているのは
わたしのこころ わたしの半神
隣の籐の椅子 古い古いとても
古いその椅子で 眠っているのは
老いてはいても 老いてはいても
わたしの全て 蒼い時の全て
隣の籐の椅子 もう初夏でも毛布
敷いて二枚重ねて 敷いてゆっくり
流れるこの時代 わたしたちの年月
わたしの最初の 遊び友だち
ねこ ねこ ねえ ねこ
君 君 いい気持ち?
今 今 夢はどのあたり?
ねこ ねこ わたしの わたしの分身 ・・・