ジェーイ ジェーイ
もっぷ
あの鳥あの鳥 隠して忘れる
確か ジェーイ と鳴く小鳥
あの鳥あの鳥 鳴き方忘れる
本当は ジェーイ と鳴く小鳥
――あの子は 途方に暮れていました
自分で自分を 知らなくて
ジェーイ ジェーイ と泣きながら
あの子は 途方に暮れていました
あの鳥あの鳥 餌(え)を隠す
そうして 忘れて 忘れて 忘れて
あの鳥あの鳥 卵(こ)を隠す
そうして 忘れて 忘れて 忘れて
――あの子は 困って泣いていました
自分で自分が わからなくって
ジェーイ ジェーイ と泣きながら
あの子は 困って泣いていました
あの鳥あの鳥 それでもカケス
ときどき 餌の場所 間違えて
あの鳥あの鳥 それでもカケス
どんな親から 巣立っても
――あの子本当は カケスの子
自分で自分を 知らずとも
ジェーイ ジェーイ と泣きながら
何故でも自分を 知らずとも
あの鳥あの鳥 どんなときにも
たとえ ジェーイ といま鳴けずとも
あの鳥あの鳥 忘れない
自分が ジェーイ と鳴くことを
――あの子ね ふと空見上げてみました
見上げて ついに 見つけたよ・・・!
ジェーイ ジェーイ と泣きながら
あの子 自分を 自分を 自分を
あの鳥あの鳥 鳴き方忘れる
それでもいつかは ジェーイ ジェーイ
あの鳥あの鳥 いつかは気づく
自分が ジェーイ と鳴くことを
――あの子ね 空を見上げてみたの
自分が自分が 飛んでいました
ジェーイ ジェーイ と鳴きながら
あの子が 自分が 飛んでいました
カケスよカケス ジェーイ ジェーイ
あの子 ふと空見上げたら
おんなじ姿の ジェーイ ジェーイ
そうして 自分に気がついた
――カケスよカケス 思い出そう
ジェーイ きっとね 思い出そう
カケスよカケス カケスの子
そうだよ 君はカケスの子
あの鳥あの鳥 どんなときにも
たとえ ジェーイ といま鳴けずとも
あの鳥あの鳥 忘れない
自分が ジェーイ と鳴くことを
――あの鳥あの鳥 どんなときにも
たとえ 自分の 名を知らずとも
ジェーイ ジェーイ そう ジェーイ
そうして続く カケスの血
そうして続くよ 今日も空には
そうして続く ジェーイ ジェーイ
そうだねあの子 カケスの子
そうして今日も ジェーイ ジェーイ
そうして続くよ カケスの血 ・・・