肉と恩寵(改訂)
ひだかたけし
イートインに
午後の光が射し込んで
私はのんびりコーヒーを啜っている
いつまでこうしていられるのだろうかと
心の隅では考えながら
それでも柔らかな陽射しに包まれて
身も心もうっとりと
今この瞬間に留まっている
)過ぎ去っていったものも過ぎ行くものも
)今この瞬間には関わりなく
)ただ白い光彩が辺りに優しく溢れ揺れるばかり
)わたしはこの一時だけ
)じぶんという鉛の存在から解放される
魂はいつだって、
その奥深い処で観ているのだろう
肉に記憶に刻印された己の諸々の行為と
瞬時到来するささやかな恩寵の瞬間との
その微妙な均衡の持続を、赦しを