範囲
たもつ



雨季、冷たいだけの
椅子に腰
かけて
朝方の蝉が穏やかに
絶滅していく様子を
眺めていました

手を伸ばす
伸ばす手が
その手が
範囲
何も守れない

窓があってよかって
透明で
何も傷めない
誰かの目だから



自由詩 範囲 Copyright たもつ 2019-11-15 07:18:04
notebook Home