スープスプーン
もっぷ

アンティークの囁きに耳欹(そばだ)てて

移ろった時代(とき)にこころ飛ばす

見も知らぬあの人この人

知らない異国のあの時代(じだい)この時代

これは紋章の刻印の入ったシルバーのスプーン

きっとフルコース分揃っていたのだろう

私の手許にはスープのスプーンがみっつだけ

ばらばらになって旅をして

今はほかに幾人もの人の許

大切にされているといいね

売られた身になってみればね

大切にされたいよね

仲間のフォークのことナイフのこと

時に 想っちゃうよね

私の手許のみっつのスープスプーン

磨いてあげる

シルバーのアンティーク

スープスプーン




自由詩 スープスプーン Copyright もっぷ 2019-11-14 05:17:04
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