スープスプーン
もっぷ
アンティークの囁きに耳欹(そばだ)てて
移ろった時代(とき)にこころ飛ばす
見も知らぬあの人この人
知らない異国のあの時代(じだい)この時代
これは紋章の刻印の入ったシルバーのスプーン
きっとフルコース分揃っていたのだろう
私の手許にはスープのスプーンがみっつだけ
ばらばらになって旅をして
今はほかに幾人もの人の許
大切にされているといいね
売られた身になってみればね
大切にされたいよね
仲間のフォークのことナイフのこと
時に 想っちゃうよね
私の手許のみっつのスープスプーン
磨いてあげる
シルバーのアンティーク
スープスプーン