すっからかん
若乱

小突いても
何も出てこない
すっからかんな子供…

心の
膿も栄養も
きれいさっぱりなくなった

地獄のような劣等感の海から
誰にも会わない天国の浜辺に

ぷくぷくの満月に照らされながら
打ち寄せられている



感性は朽ちて
すっかり透明の夜空に
骨拾い
定年退職したピエロは骨拾い
彼は波打ち際をとぼとぼ歩く

それから骨を燃やす
そのいくばくかの光に
ささやかな唄をのせるため


自由詩 すっからかん Copyright 若乱 2019-11-11 16:05:51
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