いつから仲間になっていたんだろう
Lucy
遅い初雪が降った朝
地面は乾き
空は薄雲に覆われて
空気は張り詰めている
刈り残された秋明菊の平たい葉が
上を向いて受け止めている
クリスマスローズの広い葉も
とける事を忘れた雪を
世界は冷たく押し黙る
無言
でいることの強さに憧れながら
誘惑に負け
諍いに参加してしまう
昨日も無駄な事を言った
今日も汚い言葉を吐いた
誰かの心ない発言に
傷つきながら
尚も自分だけは間違っていないことを
言えるかと思い
さらに深手を負っている
事を荒立て楽しむ輩は
そこらじゅうにいて
悪者を炙り出しては
よってたかって吊し上げる
この人達と共には戦えない
いくら利害が一緒でも
ただ利害の為だけに
この人たちとはつるまない
むしろ
沈黙することが
私なりの抵抗ではないか
冬の薄日が
心に届く
無防備ではない
無力ではない
これ以上加害に加担したくないだとか
そんな逃げ口上ではなく
いつのまに
しらない間に
味方に取り込まれていることが
嫌なのだ
むしろ悪意もて意図的に他者を攻撃するのならまだしも
彼らの
無邪気な無自覚な残忍な偽善が耐えがたい
そして私も
口を開けば彼らと同じ言葉しか
出てこない
どうしたんだろう
いつから染まっていたんだろう
気づけば同じ色の衣装着て
同じ仕草で
誰かを指差している