自分史(音楽事務所勤務時代 7 ー 結婚)
日比津 開
プライベートでは、入社5年目の35歳のと
きに結婚した。お相手は、2歳年下の札幌市
の小学校の先生で、結婚相談会社の紹介で
知り合った。当時僕は東京都内に住んでいた
ので、遠距離交際になった。
最初は東京と札幌で交際は難しいと思って
いたが、彼女が僕に積極的に会いに東京まで
来てくれたので、僕も交際期間に何度も北海
道に行くようになった。それまでは北海道に
行ったことはなかったが、札幌はじめ小樽、
洞爺湖、襟裳岬、富良野など各地を二人で旅
行した。
その中で最も印象に残っているのは、小樽
の先の岬にあるニシン御殿を訪れたときにな
る。岬、断崖の上からのオホーツク海の眺め
は絶景で、今もその景色は忘れられない。彼
女と崖の上の草村に寝そべって青空を見たり
したのは本当に心地良かった。また札幌の寿
司店でときどき食事し、美味しい寿司を満喫
した。
東京に彼女がきたときは、会社のコンサー
トに招待したり、オーケストラやバレエの公
演に一緒に出掛けた。ベルリン・フィルハー
モニー管弦楽団を招聘したときは、愛知県芸
術劇場のオープニング記念コンサートを東京
から聴きに行き、モーツァルトの協奏交響曲、
ベートーベンの交響曲第5番などを聴いている。
ベルリン・フィルのバイオリンとヴィオラの
トップ奏者による協奏交響曲が聴けたのは幸せ
で運命交響曲より楽しめた。
公演当日は、ジャイアンツとドラゴンズがペ
ナントレース最終戦で優勝を争っており、コ
ンサートの休憩時間に名古屋球場のナイター
がホールの窓から見えたことを覚えている。
公演の翌日以降は岐阜城や犬山城、名古屋城
徳川美術館などの歴史散策をしている。後年
まさかこの近辺で暮らすようになるとは、当
時は思いもよらなかった。