別れ
Giovanni
遠い汀に
戯れる鴎の姿
記憶は遥か遠く
思惟も体も
遠く 遠く
言葉は硬質な一条の
紙片に書かれた
淡くても強い直線
のようだ
彼岸を渡り
わたしの幻を
確かにあそこに
作ってきて
くれたから
それでも
私は残っては
いけない
砂浜を転がるように
走り抜け
少年のように
大声で泣き叫び
組み打って転がり
息を切らして
大の字になり
今をつかめ
惑える私よ
遠い汀は
そこでこそ
いきいきと白く
2009.2.14
自由詩
別れ
Copyright
Giovanni
2019-11-04 02:34:34