予感
ミナト 螢

線香花火の小さな大きな
膨らみのような熱いかたまりが
眼差しを広げた胸の奥で
体を丸めてうつむいていた

赤い涙を拭う間にも
消えていく炎が穴を開けると

暗闇の中で眺める鏡は
ひとりでいるから尖ったままだ

正面で向き合うその瞬間に
頬で感じる痛みや面影が
私を選んで連れて行くまで
背中を隠した光が好きだ

ハサミを入れた髪の毛は揺れない
あなただけを見つめてた心も

同じように動かなくなったら
天秤にかける重さがないの


自由詩 予感 Copyright ミナト 螢 2019-10-30 06:27:08
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