まれにみる渡り鳥
moote

「広島欲望」

ためらいなく
楽しいスポンサーの小声
だから全く意味もない
いつになったらね
見たまんまを見たまんまとしたりできんの
どこに美しい歌はあるの
このまんまさ
もう飛び出すこともままならないからだ

「道しるべの朝」

よく平気なふりで
たまってる葉をためしたものさ
ぴんぴんしてら
もう金色の太陽は割れなくて済みました
マジもんで炊いたんだ
無理なことも申し付けたことも
導きの励ましで避けきってゆく
では咲いたら檻に返す
道にまくらの防衛戦

「鯛のこま」

チキンとも渡すとも言えない
春の横の扉
楽しむことを知った知りすぎる少年
ぴんと来ないならポールを呼ぼう
歌に染み込む羅針盤を探す独楽

「スリッパのはまべ」

上ってこんなに下なんだ
もう配ってしまったよ
振り出しで小声を競う
プリンの初潮
入り乱れた遊泳船
ぴりっとする干からびた星空に
給食の配給が浜辺へと帰る

「今日の会食」

ずり落ちんこつ惚れ惚れせな
パンはパンとして配られん
作品とも言えぬ時のはざまは
余儀なく素直な受け取り人に承る
スサノオの小学校
平気なまま風に乗りわたりゆく公園


自由詩 まれにみる渡り鳥 Copyright moote 2019-10-29 23:38:13
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