待望くん(改訂)
ひだかたけし

ぽかんと ひとり
  立っている
秋の青い空の下
ぽかんと ひとり
  立っている

誰が来ても来なくても良い
もうくたびれてしまったよ
ただ一つだけいえるのは
この病んだ己のその奥処、
あの吹きっさらしの板張りの
懐中時計沈んだ蒼い小部屋
あそこからのっそりと
巨きな人、訪れる
やあと低い声響かせ現れる
それだけ何故か待っている

ぽかんと ひとり
  待っている
秋の高い空の下
ひとり ぽかんと 
  待っている












自由詩 待望くん(改訂) Copyright ひだかたけし 2019-10-28 15:17:49
notebook Home