パンと紅茶
もっぷ
時には家の無い子になって
ずっと眺めていたい あの
お月さま ずっと ずっと
夜道にしゃがみこんで
ずっと眺めていたい あの
流れ星に 祈り ながら
暖かなストーブと
ささやかに パンと紅茶のこと
想いながら
学校に行けない子になってみたかった
あれは小1の時 給食抜きを初めてくらった日
廊下でしゃがみこんで おなか空かせていた
小学校の1年生が ね
おもちゃと縁の無い子だった
遊びはもっぱら あやとり だった
短い毛糸をこっそり籠からかっぱらい
授業中に遊んでいた
結果 廊下でしゃがみこんで 給食は抜き
おとなを憎んで 子どもの自分を憎んだ
力の無さに切なくなった
憎いおとなに早く 自分もなりたかった
でも ちゃんとしたおとなを目指したつもり
今 振り返って ああ とため息
駄目なおとなになったかな
「天知る 地知る 自分知る」
わたしの呪文 逃げないための
逃げる必要が無くなるための
でもな 忘れっぽいから な
時には家の無い子になって
ずっと眺めていたい あの
お月さま ずっと ずっと
夜道にしゃがみこんで
ずっと眺めていたい あの
流れ星に 祈り ながら
暖かなストーブと
ささやかに パンと紅茶のこと
想いながら