たとえ詩が書けなくなっても
こたきひろし
たとえ詩が書けなくなっても
たしかに生きていくのには
困らない
だけど詩を書きたいと言う思いは
私の切なる欲求
時に心に石ころが詰まっても
叶えたい欲求
たとえば
公園の花の群れに
蝶が一匹ヒラヒラと飛び回っていたとしても
私は詩への欲求を棄てられない
たとえば
駅のホームに快速電車が滑り込んできたとしても
私の詩への欲求に変化はない
たとえば貴女が
貴女の方から唇を奪って来たとしても
私の切なる詩への欲求は
棄てられない
たとえ私の心の引き出しが
砂で埋まってしまっても
私の詩への欲求は
止まらない