『瓶割屋』
立見春香

瓶を
割ってね、

憂さ晴らしを
した。

憧れが
さまよって
愛が
凍ったから

好きは好き

だったよ。

脱兎のように
なっちゃったよ。

でもね、
でも、

けれども
それだけじゃあ
『愛』を
長いこと
待っていたんだよ。


あなたから
別れようと
言わそうと
頑張ったの

ほめてよね

ほめてよね


涙ひとつも
溢さなかった
でしょ?

ほめてよね

ほめてよね



なんか
気がつくと

世間には
『瓶割屋』って
職業があったの

どこかは
言わない

言ってもいいけど
宣伝になっちゃうから


そして
そこで

「バカーッ!」って
瓶投げて
叩きつけて
割って
憂さを晴らすの

瓶を
割ってね、
憂さを、ね、
晴らした

けど、

晴らせない
憂さを

どうすれば

いいのかな?


おーしえて?
よ、ねぇ。

あなた。



別れようとして、
心は
別れようとして、

別れられなかったら
ダメって
わかっていて。


どーすれば、
いーのかな?

どーすれば
いーのかな?

ねー、
あなた?





自由詩 『瓶割屋』 Copyright 立見春香 2019-10-22 07:45:27
notebook Home 戻る