只ぼうと(改訂)
ひだかたけし

木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく

)私は此処で何を待つ?
)すべて、すべて奪われて
)この命だけ明滅し

木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
絶望もなく希望もなく
只ぼうと眺めている







自由詩 只ぼうと(改訂) Copyright ひだかたけし 2019-10-21 12:51:28
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