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朧月夜

 そのおおきな階段をのぼりながら、かたわらをとおりすぎるとき、そこにすわっていたのは誰だったの? 小鳩のむれが波をうって空を灰いろに染める。── 印象派の画家たちなら、空をにじいろに描いたかもしれない。でも、わたしにはありのままの空、青と灰いろの空にみえて。手紙はちりぢりになり、風のあいだにけし飛んでゆく……


自由詩 larger steps Copyright 朧月夜 2019-10-19 10:12:10
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