ギブ安堵テイク
イオン

この子を一緒に授かる
相手と出会うことができた
何度も恋を失ってきたのは
そのためだった

この子が生まれる時まで
生き延びることができた
何度も存在を否定されたのは
危険な道を避けるためだった

この子を育てられるだけの
お金を稼げるようになっていた
何度も対立し、孤立したのは
プライドを安売りしないためだった

この子の明日が最優先になった
明日なんて信じないと
斜に構えていたのは
約束を守れないポンコツさを
隠すためだった

この子が眠りながら笑った
見苦しくても生き延びてきた私を
笑ったのではない
誉め称えて安堵しているのだ

この子はミルクを与える度に
こんな納得感を与えてくれる
ギブ安堵テイク


自由詩 ギブ安堵テイク Copyright イオン 2019-10-09 23:31:29
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