星砂の手紙
小池房枝

星砂の手紙を
ひとに送ったことがあります

便せんを折って
さらさらと封筒に注いで

指先かすかに潮と日差しの匂い


やがて返事が来ましたが

便せんにささっていたとか
ぶちまけて掃除する羽目になったとか

一番やさしい物言いでは
次からはちゃんと袋に入れてねと


星砂は化石ではなく
今を生きているものたちの亡き骸です

砂浜を作り
地圏と水圏の循環を担うものたち

人からの贈り名をバキュロジプシナ




自由詩 星砂の手紙 Copyright 小池房枝 2005-04-04 21:31:57
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