秋の刺繍糸
丘白月


水草のように雲が漂って
鳥たちはメダカのように
逃げもせず雨の巣で寄り添う
赤とんぼは紅葉の妖精
燃え上がり音もなく去っていく
枝に結ばれたおみくじから
溢れて落ちる希望を拾って
秋の紬車に妖精が座る
空に森にひとすじの光が
糸になって流れていく



自由詩 秋の刺繍糸 Copyright 丘白月 2019-09-12 18:08:08
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