たまご
若乱

大事に育てた朝顔は全部「スカ」だった

いやいや、「アタリ」なんて……

注ぎ込んだ未知という肥料
頑張ったなぁ

でも元の木阿弥万歳三唱
ついでにどうでもよくなって白飯
ちりめんじゃこに柚子胡椒

卵の黄身乗っけちまえ……





長く長く続いた燃えさかる劣等感は
小さな亀裂から焦げながら落ちた

バフリ、と真っ白なシーツに落ちた
(落るべくしてようやく落ちた)

ほぅら、もう、大丈夫、大丈夫

そっと、そっと持つよ、温かな
剥きたてのつるつるのゆで卵みたいな日々


自由詩 たまご Copyright 若乱 2019-09-12 02:53:06
notebook Home 戻る