目を瞑ると
こたきひろし

人のいっしょうは
苦の集積
だって本で読んでしまった

たしかにそうかもしんないな

だけど
誰も好きこのんで
苦しみをかき集めたりは
しない訳で
それならそれで
苦しみを楽しみに変えるしかないな

その為に
昔の
ど偉い人は
信仰なんて
本来生えるはずのない
花の
種を蒔き始めたんだな

でもよ
俺は凡人
しいて言わせてもらえば
欲の塊だから

根も葉っぱもない
花の種子なんて要らねえよ
昔のど偉い人には
ごめんなさいだけどさ

健常者の俺だから
目を瞑ると
何も見えなくなっちまう

でもさ
盲目の人には
きっと
真実の世界が見えているに違いないんだ

軽々しく言っちゃったけどさ
真実の世界って何なんだ

それは
昔のど偉い人にも
わからなかったんだろうな

何もわかりもしないくせに
まるで花咲か爺さんみたいになって
高い木ノ上から
人にめがけて
花の種子を蒔いたに違いねぇよ




自由詩 目を瞑ると Copyright こたきひろし 2019-09-03 23:43:34
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