松の妖精
丘白月
小さな手で耳朶を摘まんで
鼻の先で羽ばたき
じっと目を合わせる
少しだけ泣いてたんだ
心配させたね
身体がとてもね
大きく広い葉だった松が
あんな細く針のような
葉になってしまうほど
悲しいことをね
少しだけ思い出していたんだ
ありがとう
ほんとうは僕よりも
泣きたいのにね
自由詩
松の妖精
Copyright
丘白月
2019-09-02 21:21:09