赴くままって?
幽霊
ベッドの柱に小指をぶつけた!さぁ何事もなく椅子に座って読書でもする?…そんなとんでもない!スマホを落としてしまって(ヤバッ)その落下(間に合え!)を追って手の小指をぶつけたわけじゃない。いつも隅っこにいて、おとなしくて、爪が可愛らしい足の小指(指のアイドル)をぶつけたんだ。なんてことだ。どうなる?。そんなときに「痛っ!」だの「クソっ」だのと言ったり、飛び跳ねたり、のたうち回る。?うん?ふむ?…?わざわざ誰に聞かすでもなく音声にしてみせる。今この瞬間にもひどく豪快に小指をぶつけている人がいるかもしれないがその人の阿鼻叫喚は聞けないな。なぜ言葉にするのか?言葉に何を頼っているのか?もしかしたらこれは人の表現行動における源流?原液?これは原始詩?。言葉にすると痛みが和らぐ効果もあるように思える。ベッドの柱に向かって悪態をつく。「ふざけんなっ!いってえなこのやろう!」「クソっ!なんでこんなとこにあるんだ!」そう言うと「あなたが寝るため、あなたに置かれた」とベッドが言い返す…ということはなくてベッドはじっとしているだけ。「ごめんねぶつけて」こんな風にベッドを気遣って謝っている人がいたら好きになってしまうけどそうはいないな。どこかにいるかも。いてほしいな。もう詩を書くのに苦しみたくないなぁ。詩作を嫌なものにしたくない。何かの痛みを和らげるように書きたいな。そうせずにはいられないような、ベッドで寝ていて楽な姿勢を探すように書けないものかな。感情の赴くままに書きたいなぁ、それは多分ベッドに小指をぶつけた時の叫び(痛ぁっ!!)だったり、ベッドに小指をぶつけてベッドに謝ってしまうような人とのデートが決まったときの叫び(やった!!)が勝手に文字を連れてきて、その時の感情に連れてきた文字が溶けて混ざりあって気持ちのいい言葉の連なりになっていくことかなぁ…。
痛っっ!!
ベッドから落ちた…