ビール
はるな



プラスチックの
罪のない赤や青
まじりけのない黄色にみどり
青ざめてるピンク

地図を裂くように
飛ばしてきた、
ビールの泡が
はじけるみたいに
かるい期待
(そして失望)

だっていつも
のみきれないのだった
きわどい均衡をたもつ結露
も、
濡れたままさわる手も、
無神経な改行も、
いっけん愚鈍な
繊細も。

ほそい指をして、
手繰るように息をあわせたら
いつだってプラスチックみたいに
かんたんにたおれるよ。


自由詩 ビール Copyright はるな 2019-08-15 22:08:35
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