石鹸の雲
丘白月
入道雲は白く眩しく
石鹸の泡のように
見上げる心を洗う
タンポポの終の棲家にも似て
どこからともなく聞こえる
蝉の声が弔いのようで
魂が白く丸いと気づく
飛べる気がする
あの雲に帰りたいと思う
ビショビショに濡れて
もう一度すべてを洗い流し
羊のように雲を纏って
ゆっくりでもいいから
歩き出していきたい
自由詩
石鹸の雲
Copyright
丘白月
2019-08-11 10:02:34