石のおんな
すいせい
いしを抱いて夜を
ひたす
そして そめられていく
呼吸を ほのかに名付けて
あなたはうまれたのでした
ちぎれるように 風をおこして
春だとか夏だとか
うんざりするような
軽さに 季語は座り
あせじみた羽衣を
植物の枝に かけて
わすれ て しまいましたか
くくられた いのちの
そのじせいを
磁石をおとして
めぐるつむじ
うちがわにある みずの本流を
愛せるのでしょうか
にぎりこまない ちいさなて
矮小なむしのような ゆびが
いつか 星をさすのでしょう
にごることなく
かける おとが
ひいて いく
たしかめるように
はら
その表面をなでて
やさしいはんぱつに
なみうつ
これはわたしでしょうか と
やわらかな 髪が
春の原にたとえられる
その かぜは
たしかに
わたしから たちのぼった風
けれども 行き先は
わからない
そういう いしを
割る