メルヘン
はるな


夜がくるとおびえて
シャツのすそにかくれてしまう
ぼくのきみ
100年も逃げまどって
かえってきたかとおもえば
もう出たそうにしている

鍵はかけてないんだよ
と言うと
錠を買ってくる
なけなしのお金で
パンをがまんして

かわいそうだねえ
となでると
ちくちくとげを生やしてくる
ぼくのきみ
貫いて、血がでたら
また逃げてしまうな
そしたらぼくも
100年待ってしまうなあ





自由詩 メルヘン Copyright はるな 2019-07-27 01:31:54
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