時間が
こたきひろし

pc 持ってないし
使えないし

だから
詩はいつもスマートフォンで打ってる


たいがいは
家族が寝静まった深夜に
寝床で寝ながら打ってる

都合のいい事に
家族は誰も
詩に興味も関心もない

Pc 持ってないし
使えないから
もしかしたら俺は
時代から一歩も二歩も遅れてるかな

今は
履歴書さえパソコンで作るらしい
もっぱら手書きの俺なんか
ダサいかもな

だから
「今回は見送らさせて頂きます」
って
毎回返されたのかな

資格もスキルも学歴も
持ってないし低いから
企業の役にたたない粗末な人材である事が
第一の要因にあげられるだろうけどね

それよりも
何よりも
肝心の若さを失っている時点で
アウト決定だもんな

それでも
必死に探し回ったから
最低賃金すれすれで
作業環境常時屋外の仕事にありつけたんだから
サイコーです
って
感謝しなければな

夏は
灼熱の太陽の下で
冬は
極寒の雪の中で
秋は
台風の暴風雨の中でも
春は
思いつかないけれどさ

働け
働け
働け
って自分にムチ打ってる訳さ

スマホに
詩を打ってるような気分じゃいられないけどさ

俺はいつも
たえず時間を気にしてるんだ
午前中はひたすら正午になれって
午後からは
ひたすら五時になれって

時間が前に早く進めって
なんでもいいから時間は早く進めって
俺の老骨で支えられた体を
痩せた心を
一日の労働から
一刻も早く解放してくれって

俺が働くのは
あくまでも生活のため
最低賃金すれすれでも
なけりゃ
家族まとめて日干しになるからさ

微々たる年金も
なければ日干しになるからさ

Pc 持ってないし
使えないし

そんな俺の頭の中は
アナログだし

体内は血液流れて止まらないし
汗もかくし
流れるし
こうして
詩を打ってる自分の目には
涙が出るし
溢れるし

笑いたくなるくらい
悲しい人生だからさ








自由詩 時間が Copyright こたきひろし 2019-07-23 06:04:11
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