サギソウの妖精
丘白月


ヤマトミクリが浅瀬で
糸トンボを休ませ

森を抜けて来た風が
アメンボウと並んで走る

雲をちぎったような
白く切ない花が
青空をのぞいている

飛び立つ隙を伺っているのか
恋しくて帰りたいのか

白鷺の羽根が一枚落ちた日
妖精は涙に変えて種を創った
私の羽根を分けてあげると言った



自由詩 サギソウの妖精 Copyright 丘白月 2019-07-22 06:56:09
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