フーリガン
DFW
アスファルトに落ちている犬のフンを蹴とばして 追いかけて
夏の薄暗がりに溶けてしみる厚化粧
わたしがわたしのものならさいしょから わたしはわたしのことなど考えはじめてない のかな
肌にまとわりつく暑さのなかの
アルコールの匂いと
明るいかたまりでうまれた
大勢の笑い声が
それはそれできれいに響き渡ってしまって
いつかきみがわたしのものになったなら わたしはきみのことなど考えなくなる のかな
わたしたちの生活というものがほんとうはなくても
アスファルトに落ちているすべてがわたしのものに思える夜に 犬のフンを蹴とばして
跳ねる髪が風をはらむのを
イメージして
夏の薄暗がりに溶けてしみる厚化粧
いつのまにかこなごなになってみえなくなった犬のフンみたいに
あとかたもなく