ゆう君
末下りょう

蝉が鳴いたしだいに

夏のみすぼらしさを飾って ぬけ殻をくわえてくるってゆう君
小汚い綴れ織りや押し花を蒐集して

あしの爪をのばしっぱなしなのに
やっぱしさみしいのかしらんって
だれかさん よんでそう
そういいたいとゆうきもちのきみと一緒にってゆう君は
ジバンシィの紙袋んなかにまるまって眠る

ゆう君。
夏のトマトみたいに好きだよ
ぼくの仕事はブレーキをかけることだけど 腕でやることはできないんだ


自由詩 ゆう君 Copyright 末下りょう 2019-07-19 21:01:19
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