ノウゼンカズラの妖精
丘白月


腰まで伸びた
オレンジ色の髪が
熱い花びらを吊るす

初めての雪の夜
二人で植えた樅の木に
夏のクリスマスが咲く

ミツバチは蜜をもとめ
ムクドリは恋の薬と知り
花を咥えて行く

妖精の美しい髪が
涙が流れるように
気持ちを残して落ちる

凌霄花と詠んだ夏の
遠い記憶の片すみで
背伸びをする二人がいた


自由詩 ノウゼンカズラの妖精 Copyright 丘白月 2019-07-19 20:56:43
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