ひとりでも
丘白月


一人になるのが好きだと
そんなことほんとうは
思って欲しくないの

風の強い夜は
ウツギの細い枝も
いつもは届かない手を
お互いに差し出して
踊ろうかと言う

一人の部屋で耳を澄まして
空耳だと分かっていても
あなたの声だと信じて眠る

朝日がカーテン越しに
影をはこんでくる

網戸に挟まった木の葉が
まるで手紙のように見えて
一人でも笑顔は生まれる


自由詩 ひとりでも Copyright 丘白月 2019-07-17 22:03:39
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