剝がし屋
ゴデル

俺の背中の生霊は
眼が合ったと因縁をつけ
そのまま俺に取り憑いた
男子学生だ

あれから肩が重いし
口もちゃんと開かない
吐き気もする

妖怪高校の職員室
俺は怒鳴り込んだ
教師どもは一斉に
静かになった

「ちょっと来てください。」

舌の二枚ある校長が
俺を保健室に連れて行った

そこには
顔が女陰な大男がいた

「王先生です。」

紹介されると先生は
簡易ベッドを垂直に立て
俺をマットに押し付けた

「いこか。」

挨拶もそこそこに先生は
俺の上半身を裸にして
ちゅぽん
顔の女陰を背中に這わせた

ジュポポポ
王先生の吸引力はダイソン級
何かが抜けていくのが分かった

ボフッ
背中から剝がされた
黒い影のようなそれは
王先生の頭にへばり付いていた

息の続かなくなった先生
首を左右に振ると
憑き物を窓から
外に放り投げてしまった

「こんでええか。」

俺は裁判にして金が欲しかったけど
王先生の圧に負けて

「うん、ありがとう。」
と言って帰った









自由詩 剝がし屋 Copyright ゴデル 2019-07-08 17:39:20
notebook Home 戻る