マリーゴールドの妖精
丘白月


私は太陽の鏡
雨の日も曇の日も
忙しく道を通り過ぎるあなたに
私は光をさす

振り返らなくてもいいの
私は知ってる

夏の間あなたが早起きして私に水をくれたことを
昨日あくびをしながら「おはよう」と言ってくれたことを

だから私は枯れない
あなたが気にしてくれるから

私はもっと金色になって太陽になりたい
小さい花だけど
あなたの太陽になりたいの

秋になって冷たい風が吹いても
私は毎日花を咲かせて
あなたの心を温めたいの

今日あなたは「ありがとう」って言ってくれた
私は嬉しくて泣いたの

そしてあなたに気づかれないように
涙を隠すために雨を呼んだの

傘のないあなたは
走って私の横を通り過ぎて行った

明日の朝あなたの耳元まで飛んでいくわ
どうしても言いたいことがあるの
「ありがとう」って



自由詩 マリーゴールドの妖精 Copyright 丘白月 2019-06-26 19:22:12
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