マリーゴールドの妖精
丘白月
私は太陽の鏡
雨の日も曇の日も
忙しく道を通り過ぎるあなたに
私は光をさす
振り返らなくてもいいの
私は知ってる
夏の間あなたが早起きして私に水をくれたことを
昨日あくびをしながら「おはよう」と言ってくれたことを
だから私は枯れない
あなたが気にしてくれるから
私はもっと金色になって太陽になりたい
小さい花だけど
あなたの太陽になりたいの
秋になって冷たい風が吹いても
私は毎日花を咲かせて
あなたの心を温めたいの
今日あなたは「ありがとう」って言ってくれた
私は嬉しくて泣いたの
そしてあなたに気づかれないように
涙を隠すために雨を呼んだの
傘のないあなたは
走って私の横を通り過ぎて行った
明日の朝あなたの耳元まで飛んでいくわ
どうしても言いたいことがあるの
「ありがとう」って