環状2号線
AB(なかほど)



もう二度と戻れない
とつぶやきながら僕らの日常
入口も、出口も
いくつも開いている
環状2号線

トンネルを抜けると
道がいくつも別れていた頃の幸せ
次のトンネルを抜けた
その先はもう見えている
管状2号線




出すべきとき
納めるときの間を知らず
作り笑いも下手で
人間らしい
勘定2号線

各駅停車で行って、帰って、
そんなふうな人生と
嗤っとるけど、
瞳がまだ輝いとるんよ
完乗2号線




正義って何だろうね
って、ふと感じている
その誘導燈の先にみんなの
笑顔があるのかなって
艦上2号線

優しいひとが
山河に向かって吠えている
いったい何と
戦っているんだ
干城2号線




その二本の動脈に
流れているものは
酸素と栄養
だけじゃないんだよ
冠状2号線

生命線に沿って
交感、副交感神経に沿って
見えるもの、見えないもの
生きている、生きていたものに沿って
感情2号線



  


自由詩 環状2号線 Copyright AB(なかほど) 2019-06-22 17:02:22
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