彼女は凍ったままでいることだってできただろう
竜門勇気


集まって噛み付く
せがんで投げ出す
君についてる
悪い虫 悪いやつ

窓があればなあ
外を見れたのに
何でできてんだろうねこれ
継ぎ目だらけで
どこにも隙間のねー暗い壁

ひどい隠し事
冷たくなればそれだけでいい
そんな気分で回り続ける日々
今日はあっち
突然そっち
そっちを向くとあっちはもう記憶の埒外
外側のことばかり考えてる
壊れたものを継ぎ足すだけで
完璧は発生していく

窓さえあればなあ
太陽がどっちから来て
月がどうやって欠けるかわかったのに
何が全部なんだろうこれは
この外は何が起きてるんだ?

僕は心のことを時々考える
心は、考える?
心は僕のことを考える?

窓が永久に現れなければ
きっと
彼女は凍ったままでいることだってできるはずだ
壁の前で黙って居心地の悪い沈黙を嗅ぐ
そうでないのはどこかに君と僕をつなぐ場所があるはずさ
目を開けたままで見る夢の中で
彼女は花を摘み取った手を眺めている



自由詩 彼女は凍ったままでいることだってできただろう Copyright 竜門勇気 2019-06-22 10:44:04
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