夕陽の虫籠
かんな

朝日を小瓶に捕まえて
蓋をしめて逃さない
泣き出した夜に雨が降る
綺麗すぎて汚くて正しすぎて間違いで
かけがえのないものを掛け違えるまいにちに
夕陽を虫籠に入れる
幼い記憶を餌にして
孤独すぎて依存して愛しすぎて誰もいない
悲しみや苦しみが憤りや嘲りが
止めどない絶望が
群れをなして飛んでいく
綺麗に咲いて夏の空
私が眠るあなたの傍


自由詩 夕陽の虫籠 Copyright かんな 2019-06-21 19:46:13
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