ミルキー
坂本瞳子

生温かい午後は
初夏の匂いを孕んで
油断させる

眠気を撒き散らし
気力エネルギーを奪い去り
時間さえも怠惰に流れ行く

束の間
夢を見たような心地を覚え
雷に撃たれたいと願う

こんなときはきっと
牛乳が効果を発揮する
あの真っ白な
なんとも生臭い液体が
浄化してくれるであろう

さぁ、そろそろ
覚醒のときがやってくる

飲みすぎるな
腹をくだしては元も子もない

心して白の海に身を投げるのだ
大きな海原の真ん中の
渦に飲み込まれてしまえ
白きそれの中へ


自由詩 ミルキー Copyright 坂本瞳子 2019-06-18 19:31:11
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