rain/fruit
むぎのようこ



みのりがことり
と音をたて
みちた風をゆらしもする
衣擦れの
すきまを縫うひかりの
糸をまぶたで
つむいではながれる
影の
あわさに怯えたり

する

くもり、
軟化する夜の
融けてみずになった
ところから
甘い
ほたるの明滅
たかい
たてものの上から
みおろす
飽和した影たちの
おどるひかり、

星のくだけた
音がする
ひとみの、その
まんなかで
朝が
うまれても
また、ねむっても
みずに
なるだけの
ときに
浮かびながら
あまえてもただ、降り
そそぐ、みのり












自由詩 rain/fruit Copyright むぎのようこ 2019-06-12 20:21:19
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