たしかに電車を乗り継いで、よくわからないうちにお墓の前に立ってた
お花もお供え物も、お線香もない
たよりないトトロのリコーダーが裏の通学路から聴こえてくる

このご時世しあわせであることは地獄だっておじいちゃんは言ってた
十七回忌を過ぎたら墓はなくしてくれっておじいちゃんは言ってた
昔みたいに贅沢にっておじいちゃんは言ってた
そんときは適当に散骨してくれっておじいちゃんは言ってた

よく喋るおじいちゃんはずっといろんなことを言ってた

意味分かんなかったけど　今日はなつかしい青空がひろがってる

おじいちゃん
約束わたしがまもるから心配しなくていいよ

おじいちゃん

久しぶり