高曇りの空に
ひだかたけし
灰色が溜まっていく
灰色が溜まっていく
時は矢のように飛び去り
灰色が溜まっていく
憂鬱な快楽
(憂鬱は澱のように沈み)
空は高曇り
舗装されたばかりのアスファルトを
五歳の私が駆けていく
すべてが遠退いていく
速度のなかを
懐かしく絶望して
(座るべき椅子はもうとっくに失われ)
灰色が溜まっていく
灰色が溜まっていく
思い出は矢のように遠去かり
限りなく白へ純白へと
灰色が溜まっていく
自由詩
高曇りの空に
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ひだかたけし
2019-06-04 17:06:31
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