L' eau
すいせい
ひとしずくの
音が染み込む
わたしの一番薄いところ
宴よりも華やかに
纏う羽衣のかおり
たとえば
堕ちていく人工衛星の軽さ
軋み
燃え尽きる
事が季節へのたむけと
そうわらった
白いはが
吃音をうむ
それが木立の
間をすべる風だとしても
届かない
鳩の翼は濡れてしまった
宿る屋根もなく
乳鉢になかに
癒しをほどく
さまざまな他人がすり潰され
それを
泡沫
(
うたかた
)
と
つたなく歌う
記憶にうつしとられる
水面を球体に沈め
薄いひふの罅に刻む
揮発しがちな日々として
自由詩
L' eau
Copyright
すいせい
2019-06-03 21:19:45
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