《砂の羽音》
ハァモニィベル
細い細い砂山は
伸びでた一頭の獣の首
蹲ることもできず
枯れ果てし
茅芒
(
カヤススキ
)
の
散りゆく波打ち際
耳を澄ます月が
寂しさに馴れた門のように
開かずにいた薄眼を
今そっと開く時
にぶく響かせた最期の羽音のように
水煙りのなかへ、突如急激に
傾斜して消えた感情の片影
*
自由詩
《砂の羽音》
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ハァモニィベル
2019-05-18 00:21:23
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