木片
はるな
春のきえた街で
まぶたをあたためる
うす水色の すき間たち
ここには空気がある
それは水に浮くような恋であったよ
雨でも嵐でも
沈めても沈めても
思惑とはべつのばしょから浮いてくる
罪のない木片であったよ。
手ごたえのない夢のなかで
たった一粒の砂を見つけるみたいな
どん底の幸福であったよ。
自由詩
木片
Copyright
はるな
2019-05-17 09:16:39