神様のよだれかけ
こたきひろし

ママの豊満な乳房
そしてかなり敏感な乳首から
申し訳ないけど
ミルクだけ搾取させて頂いてました

右も左も
物事の道理もまったくちんぷんかんぷんな
赤ちゃんだって養分は必要不可欠ですから


産院でうぶ声をあげた時は
もちろんすっぽんぽんでした
やたら股間のシンボルが目立ってしまいました
女のこだったんです

体重を計って貰いました
いくら生まれたてでも
ゼロではありませんからね

産まれて間もない頃は
足首にタグをつけられてました
よその子供と間違えられたら
それから先の運命大幅に変わってしまいますからね

わたしがこうして生まれてこれたのは
パパとママの生殖能力がいかんなく発揮されたけっかですから
二人に愛情をそそがれて育ちたいです

そして
離乳した私は
神様から配布された
よだれかけをつけて
赤ちゃん言葉で必死に自己主張しています

自己主張しています
その内に言葉を話せるようになったら
自我に目覚めて
右も左も
ものの道理もわかるように
なれるかも
しれませんね


自由詩 神様のよだれかけ Copyright こたきひろし 2019-05-17 06:16:46
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