漂う夢
シホ.N



春が僕を
けだるい空気へ
誘いこむ

失われた夢のように
消えてゆくのは
あおい春

夢を
夢と認識するために
毎日めざめる

夢では現実を
目覚めれば夢を
忘却するばかり

目覚めなければ
夢は
永久に閉じられた
異世界
という死

個人的であり
普遍的でもある
了解不能の世界

世界中に
漂う夢らは
見えない
会わない
質量もない



自由詩 漂う夢 Copyright シホ.N 2019-05-17 03:19:23
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